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nkKAI//永遠亭の住人//八意 永琳-八意 永琳-八意 永琳-蓬莱山 輝夜- クラスト//黒翼「形ある陰影」//射命丸 文-射命丸 文-射命丸 文-東風谷 早苗- クラストは山札をシャッフルしました。 クラストの呪力は今1(+1)です。 クラスト では 配置:旋符「紅葉旋扇風」 起動:旋符「紅葉旋扇風」 Turn 2 - nkKAI//体力22( 17) 呪力1( 1) 手札7( 6) 山33( 34) スペル0( 1) 手札:イナバの白兎//覚神「神代の記憶」//薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」//蘇活「生命遊戯 -ライフゲーム-」//月の記憶//精製//実験// 配置:覚神「神代の記憶」 起動:覚神「神代の記憶」 オートドローがスキップされました。 Turn 3 - クラスト//体力17( 22) 呪力1( 0) 手札5( 6) 山34( 33) スペル1( 1) クラストはカードを1枚引きました。 戦闘:クラスト - 旋符「紅葉旋扇風」 vs 覚神「神代の記憶」 - nkKAI 結果:クラスト - Dmg 1 2 Dmg - nkKAI 配置:秘術「グレイソーマタージ」 起動:旋符「紅葉旋扇風」 Turn 4 - nkKAI//体力20( 16) 呪力2( 0) 手札7( 5) 山32( 33) スペル1( 2) 手札:イナバの白兎//薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」//蘇活「生命遊戯 -ライフゲーム-」//月の記憶//精製//実験//薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」// 配置:蘇活「生命遊戯 -ライフゲーム-」 起動:蘇活「生命遊戯 -ライフゲーム-」 オートドローがスキップされました。 Turn 5 - クラスト//体力16( 20) 呪力2( 0) 手札5( 6) 山33( 32) スペル2( 2) クラストはカードを1枚引きました。 戦闘:クラスト - 旋符「紅葉旋扇風」 vs 蘇活「生命遊戯 -ライフゲーム-」 - nkKAI 結果:クラスト - Dmg 2 2 Dmg - nkKAI 配置:塞符「山神渡御」 起動:旋符「紅葉旋扇風」 Turn 6 - nkKAI//体力18( 14) 呪力3( 1) 手札7( 5) 山31( 32) スペル2( 3) 手札:イナバの白兎//薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」//月の記憶//精製//実験//薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」//超天才// 配置:薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」 起動:薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」 オートドローがスキップされました。 Turn 7 - クラスト//体力14( 18) 呪力4( 0) 手札5( 6) 山32( 31) スペル3( 3) クラストはカードを1枚引きました。 戦闘:クラスト - 旋符「紅葉旋扇風」 vs 薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」 - nkKAI 結果:クラスト - Dmg 2 1 Dmg - nkKAI 配置:風符「風神一扇」 起動:塞符「山神渡御」 Turn 8 - nkKAI//体力17( 12) 呪力4( 0) 手札7( 5) 山30( 31) スペル3( 4) 手札:イナバの白兎//薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」//月の記憶//精製//実験//超天才//月の記憶// 配置:薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」 起動:薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」 オートドローがスキップされました。 Turn 9 - クラスト//体力12( 17) 呪力4( 1) 手札5( 6) 山31( 30) スペル4( 4) クラストはカードを1枚引きました。 戦闘:クラスト - 塞符「山神渡御」 vs 薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」 - nkKAI クラストは射命丸 文の1番目の特殊能力を使いました。 結果:クラスト - 回避 3 Dmg - nkKAI クラストの呪力が+1 (1) クラストの呪力が+1 (2) 配置:「天孫降臨の道しるべ」 Turn 10 - nkKAI//体力14( 12) 呪力6( 2) 手札7( 5) 山29( 30) スペル4( 5) 手札:イナバの白兎//月の記憶//精製//実験//超天才//月の記憶//精製// 起動:薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」 オートドローがスキップされました。 Turn 11 - クラスト//体力12( 14) 呪力7( 3) 手札5( 7) 山30( 29) スペル5( 4) クラストはカードを1枚引きました。 戦闘:クラスト - 塞符「山神渡御」 vs 薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」 - nkKAI クラストは射命丸 文の1番目の特殊能力を使いました。 nkKAIは八意 永琳の1番目の特殊能力を使いました。 イベント(クラスト):パターン避け クラストはパターン避けを場から捨札に送りました。 結果:クラスト - 回避 3 Dmg - nkKAI 配置:旋符「紅葉旋扇風」 Turn 12 - nkKAI//体力11( 12) 呪力6( 2) 手札8( 4) 山28( 29) スペル4( 6) 手札:イナバの白兎//月の記憶//精製//実験//超天才//月の記憶//精製//実験// 起動:薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」 オートドローがスキップされました。 Turn 13 - クラスト//体力12( 11) 呪力8( 3) 手札4( 8) 山29( 28) スペル6( 4) クラストはカードを1枚引きました。 nkKAIは実験を手札から捨てました。 戦闘:クラスト - 塞符「山神渡御」 vs 薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」 - nkKAI クラストは射命丸 文の1番目の特殊能力を使いました。 nkKAIは八意 永琳の1番目の特殊能力を使いました。 結果:クラスト - Dmg 2 3 Dmg - nkKAI 配置:塞符「山神渡御」 クラストは白狼天狗:犬走椛をクラストの塞符「山神渡御」につけました。 クラストは山札を上から3枚見ました。 クラストは山札からカードを1枚、山札の一番下に置きました。 クラストは山札からカードを1枚、山札の一番下に置きました。 起動:塞符「山神渡御」 Turn 14 - nkKAI//体力8( 10) 呪力6( 1) 手札8( 3) 山27( 28) スペル4( 7) 手札:イナバの白兎//月の記憶//精製//実験//超天才//月の記憶//精製//禁薬「蓬莱の薬」// nkKAI 椛って全部上か下かの二択では… クラスト he クラスト toriaezu nkKAI このままでやりますか クラスト わからん人も多いので クラスト 出来ないらしい 配置:禁薬「蓬莱の薬」 起動:禁薬「蓬莱の薬」 オートドローがスキップされました。 Turn 15 - クラスト//体力10( 8) 呪力8( 0) 手札3( 7) 山28( 27) スペル7( 5) クラストはカードを1枚引きました。 戦闘:クラスト - 塞符「山神渡御」 vs 禁薬「蓬莱の薬」 - nkKAI 結果:クラスト - Dmg 0 3 Dmg - nkKAI クラストの体力が-3 (7) - 禁薬「蓬莱の薬」 配置:「幻想風靡」 起動:「幻想風靡」 Turn 16 - nkKAI//体力5( 7) 呪力6( 2) 手札8( 3) 山26( 27) スペル5( 8) 手札:イナバの白兎//月の記憶//精製//実験//超天才//月の記憶//精製//禁薬「蓬莱の薬」// 配置:禁薬「蓬莱の薬」 起動:覚神「神代の記憶」 オートドローがスキップされました。 Turn 17 - クラスト//体力7( 5) 呪力10( 5) 手札3( 7) 山27( 26) スペル8( 6) クラストはカードを1枚引きました。 戦闘:クラスト - 「幻想風靡」 vs 覚神「神代の記憶」 - nkKAI イベント(nkKAI):月の記憶 nkKAIは月の記憶を場から捨札に送りました。 クラストは射命丸 文の1番目の特殊能力を使いました。 結果:クラスト - 回避 3 Dmg - nkKAI 配置:「幻想風靡」 Turn 18 - nkKAI//体力2( 7) 呪力10( 6) 手札7( 3) 山25( 26) スペル6( 9) 手札:イナバの白兎//精製//実験//超天才//月の記憶//精製//平穏// 起動:覚神「神代の記憶」 nkKAIはイナバの白兎をnkKAIの覚神「神代の記憶」につけました。 オートドローがスキップされました。 Turn 19 - クラスト//体力7( 2) 呪力15( 7) 手札3( 6) 山26( 25) スペル9( 6) クラストはカードを1枚引きました。 戦闘:クラスト - 「幻想風靡」 vs 覚神「神代の記憶」 - nkKAI 結果:クラスト - Dmg 2 5 Dmg - nkKAI クラスト 乙です nkKAI ありがとうございました nkKAIはカードを1枚引きました。 nkKAIはカードを1枚引きました。 nkKAIはカードを1枚引きました。 nkKAIはカードを1枚引きました。 nkKAI では戻りますか クラスト ではまた クラスト ノシ nkKAI お疲れ様でしたノシ
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画像庫 画像隔離 画像庫スクショ的なもの 立ち絵 ドット絵 スクショ的なもの 立ち絵 【素材】地に潜む紅い怨念【河城みとり①】 ドット絵
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人里離れた妖怪の山。 いつものように河童やら下っ端天狗やらをからかって遊んでいる所に、文が何かを抱えて文字通り飛んできた。 それはそれは大事そうにしっかと抱きかかえて、一言。 「赤ちゃん拾っちゃいました!」 「返してきなさい」 山を、寒い風が一筋通り抜けた。 「犬猫じゃないんですから放っておいたら確実に死んじゃうじゃないですか。○○さんの人非人」 文は大層ご立腹なようだ。 「だからな、慧音の所に預けるとか、色々あるだろ」 「拾うだけ拾って後はお願いしますとでも言えと? そんな薄情な事はできません!」 こんな時ばかり正論言いやがって。しかし俺は何よりも、お前が子育てする気満々なのが怖いんだ。赤ん坊の行く末の為にも。 「わ、可愛いですねー。うりうりー」 椛も、はしゃぐんじゃありません。 「兎に角だ。文の気持ちはわからなくもないが、ここは一つ、赤ん坊の事を想うなら……」 「……っく、ぁぅ」 「天狗が人の子を育てた前例だってあるじゃないですか! 私は立派にこの子を育てて見せます!」 「ぐすっ、っえぐ……」 「だから! 敢えて他種族の下で生きるより人の中で生きていく方が自然だろうが! それ位わかるだろ!」 「……ぅうう」 「あ、あのお二人とも」 「椛は黙ってて下さい! もういいです。○○さんには頼りません。この子は私だけで面倒見ますから貴方はさっさと山を降りて「びええええええええ!!」きゃあ!?」 大声で怒鳴りあったせいか、それとも剣呑な雰囲気を察してか。文の腕の中で赤ん坊が泣き出してしまった。 「ど、どうしましょう!? ○○さん」 「お、落ち着け。とりあえずあやすんだ。それで大概なんとかなる気がする」 「わかりました。ほーらよちよち、あややややー」 「ぎゃーん!!」 状況悪化。 「駄目じゃないですか!」 「むぅ……そうだ。椛!」 「は、はい!?」 「おっぱいだ!」 「出ませんよ!!」 真っ赤になって怒る椛。 「って言うかなんで椛に言うんですか」 半目で睨んでくる文。 「いや、だって文よりでk……うわちょっとやめてごめんなs」 結局、文が猛スピードで里まで行ってミルクやらおしめやら子供用玩具を調達してきた事により何とか事なきを得た。 うやむやの内に子育てにも協力すると約束させられ、これから先の事に頭を痛めるばかりである。 うpろだ1137 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「文ちゃん、君のことが好きだ!」 今日も山には男の声が響く。 「…毎日毎日飽きもせずによく来ますね、○○さん」 少女の口からため息が一つ。 「俺は諦めないさ。いつか君の気持ちが傾くまでやめないよ」 「ストーカーまがいの行為は止めて下さい」 男の口からもため息が一つ。 「つれないねぇ、文ちゃーん。でも俺は諦めないよー?」 「そうですか、勝手に頑張ってください」 「…むぅ、冷たいねえ。で、俺は今日も追い返されるのかな?」 「そうです、死なないように手加減します。だから、今日も逃げ帰ってください」 「文ちゃんは優しいねえ!じゃ、俺も死にたくないから今日は帰ろう!」 少女から弾が放たれる。男は必死でそれを避け、逃げる。 逃げる男は、叫んだ。 「文ちゃーん!俺はまだまだ諦めないからな!君が俺の恋人になるまで!」 追い返す少女も、叫んだ。 「人間ごときが…思い上がらないでください!」 「思い上がった馬鹿な人間を愛してみるってのはどうだい!?」 「いい加減にしてくださいっ!」 男は弾幕を避けながら山道を下る。 此処は妖怪の山。本来ならば人間なぞ天狗が追い返しに来る場所。 しかし、今や射命丸以外の天狗は男を追い返そうとしない。 少女の前に毎日のように現れ、少女に愛の言葉を叫び、少女の弾幕から逃げ帰る。 そんな一風変わった馬鹿な人間の恋路に興味を持ったのだ。 それに、手加減してるとはいえ、射命丸の弾幕を避けきる男だ。 そこらへんの天狗では倒す事などできはしない。 今日も男は愛を叫ぶ。今日も少女は男を追い返す。 此処は妖怪の山。技術の高い河童やスクープ好きな天狗の住む山。 そして、馬鹿な男と天狗の少女の愛の舞台の場。 今日もその舞台を、河が、滝が、河童が、天狗が見守っている。 男は叫び、少女は美しい弾幕を放つ。 「ははは、明日も会いに来るから待っててくれよー!」 「来なくていいですっ!」 少女は怒り、男は笑う。周りでこっそりと見守る妖怪たちも笑う。 今日も妖怪の山は音が響く。 それは、愛の叫び。それは、怒りの声。それは、笑い声。 今日も妖怪の山は平和だった。明日もきっと平和だろう。 妖怪に恋してしまった人間の男と、人間に恋された妖怪の少女がいる限り。 うpろだ1141 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「風は私に屈服し、風は私に操られ、風は私と共に在る――。」 「私は風に屈服し、私は風に操られ、私は風と共に在る――。」 「「だからこそ、彼の在り方に憧れた――。」」 ――――――――――――――『東方風人録』―――――――――――――― ――古来から人間は『山』を信仰の対象にしてきた。 往々にして『山』は人間の住みやすい環境にはなく、危険な環境の集まりだ。 そんな『山』を、人間は畏怖し崇拝し、『山』に霊的な存在を感じていた――。 ――まぁ、本当に妖怪とか住んでるんだから、そりゃ霊的なものだってビシバシ感じるわなぁ。 皆さんご存知の幻想郷、その(多分)中央にデーンとデカイ面を晒しつつも鎮座しているのが『妖怪の山』だ。 そう、本当に妖怪の住んでいる『山』なのだ。 頂上に洩矢神社を頂くこの妖怪の山には、神社へと続く一本の長い階段がある。 神社への階段なのだから、まばらにでも人が居ても良さそうなものだが、不思議な事に俺以外の人間の姿を目にする事は殆ど無い。 これは何ということだ?と不思議に思い、里の人達に話を聞いてみた。 色々な意見があったのだが、遠まわしにも言いたい事は一つのようだ。 即ち――「あんな長い階段上ってられるかってんだちくしょー。」だそうで。 ……幻想郷の『山』も――あぁいや幻想郷だからこそか? 例によって例のごとく人間にとっては過酷な環境らしい。 中には妖怪の山に近づきたくないとか本音のような建前のような意見もあった。 けれど、この意見をくれた八百屋のおっちゃんはインタビュー直後、野菜を求めて3000歩してきた夜雀相手に笑顔で商いをしていたので、発言に全く説得力が無い。 おっちゃん曰く 「可愛いもんは可愛い! 可愛いは正義だって偉い人が……って、ゲェー! おまえはかあちゃん!! か、かあちゃん違うんだ別に俺は浮気をしようってわけではうわなにをするやめr……。」 かの夜雀の可愛さには全面同意の姿勢を示すところであるので、おっちゃんの説得力は完全回復だ。……代わりにHPと寿命は激減したようだが。南無。 こういう場面を見ていると、幻想郷縁起にあるように人間対妖怪の関係は本当に崩れているように思える。 外来人の俺に限った話ではないけれど、やっぱり不安は不安だからなぁ……、死活問題だし。 兎に角、何にせよ階段に人が集まらないと言うことは、況や神社をや、なのである。 こんなことで信仰の方は大丈夫なのですか、と短期間ながらも仲良くなった神様に「すわっ!」とお伺いを立てたところ「ケロッ!」と快くお答えくださった。 「里にも博麗神社にも洩矢の分社があるから、そこで信仰が集まるようになっているの。だからおーるおっけーのもーまんたいなのよっ。」 とのことで。腰に手を当て無い胸張って、エッヘンと得意気だ。 流石はケロちゃn……ゲフン! 諏訪子様。 余りにも感動した俺は、その溢れんばかりの尊敬の念を示そうとしたのか、気付けば右手がその金に輝く御髪を撫で梳いていた。 「……あーうー。」 目を細めてそのまま頭を委ねてくださったので、ちょっとは気に入ってくれたのかな?などと自惚れてみたり。 「……分社に分霊を送っているのは、私なんだけどねぇ。」 オンバシラが邪魔で聞こえません。というか撫でてほしいんですか? 「いや……、遠慮しておくよ。」 まっこと、乙女心とは複雑なものである、まる さて閑話休題。 そんな『長い、高い、疲れる』な誰も寄り付かないような階段であるが、俺は毎日のように通っている。 別に何処ぞの詐欺ウサギのような、『けんこうのためのそのいち』を実践しているわけではなく、単純にこの場所が気に入っているだけである。 ……まぁ、多少の下心はあるのだけれど――。 幾つか気に入った理由はあるけれど、先ず挙げられるのはこの景色だろうか。 この階段があるのは山の斜面。長いし高いし疲れるし、それでもそのお陰でここからは幻想郷が一望できるのだ。 一現代人たる俺としては、こんな自然に囲まれた、というよりむしろ自然オンリー天然生活。みたいな景色を見ることの出来た機会は、稀だったと言ってもいい。 そして科学が発達した現代とは言え人間は人間だ。自然を美しいと感じる心は残っている。 そう、この景色には苦労してでも見る価値がある。 日課の散歩をしていたら 気付けばそこは森の中 携帯通じずアンテナ0本 跳んで転げて迷った果てに 森が開けば一大パノラマ っとくらぁ。 幻想郷に迷い込んで、混乱してパニックを起こしていた俺を落ち着かせてくれたのは、この景色だ。 感謝もしてるし単純に大好き。いつまでも見ていたい衝動に駆られる。 そして俺が最も気に入っていること、それは……。 ヒュォォオオオオオオオオオオ――。 そう、この風だ。 景色がパニックを落ち着かせてくれたのは良いんだが、情けないことに落ち着いたと同時にちょっと凹んでしまったのだな。 そんな俺を慰めてくれたのが、この風だ。 階段の下から吹き上げてくる、全身を優しく包んでくれるような、湿度も温度も良い塩梅。 不覚にも泣きそうになって……ない。な、泣いてなんていないんだからねっ! バカッ!! ……ゲフン。 えーっと、気落ちしていた俺だったが、こいつのお陰で気持ちに余裕が出来たわけだ。 ……まぁ、余裕が出来過ぎて一人ニヤニヤと余韻に浸っていたら、初対面の筈の射命丸の人にこっ酷く貶されてしまったのだけれど。 「酷い言われようですね、貴方が一人で不気味にニヤついていた事実を指摘しただけですよ。」 嘘だっ!! 初対面の俺に対しても慈悲の欠片も見えないあまりのSっぷりに、俺の中のM魂がキュンキュンと刺激……ん? 「うわっ……、本性を見せましたね、この弩変態性欲魔人。そんなに虐められるのが好みなら向日葵畑への散歩をお勧めします。 きっと素敵なデュアルスパーk……3Pで思うさま虐めてもらえますよ。」 ちょっと待て、さっきから聞こえるこの声は、もしかして……。 「あ……。」 「あ?」 「あ、あああ……。」 「愛してる?」 「文!?」 「はい、あなたの文ですよー。」 ――紛れも無い射命丸の人が、空に浮いていた。 ~opening~ うpろだ1176 ─────────────────────────────────────────────────────────── 文「おおお起きてますか○○さん~」 ○○「お~うこっちはもう終わるぞ~」 何の因果かは知らないが文々。新聞を手伝うことになってしまった しかも大会の締め切りが明日ということで、今日は文の家で徹夜の作業なのである 文「そ~ですか~こっちはzあともう……zzすこs……」 ○○「寝るな文!寝たらダメなんだぞ!」 文「zzz……はっ!わ、私寝てました!?」 ○○「少しな、さぁコーヒー淹れてやるからもう少しがんばろう」 文「ありがとうございます~」 ○○「うん、ブラックなら文も目が覚めるだろう」 ○○「文、コーヒー淹れてきたz」 文「すー……すー……」 ○○「あちゃあ、まったく寝るなといったのに、大体お前が手伝わせてきたのが問題で……」 文「むー……すー……」 ○○「はぁ、とりあえず埒が明かないな、どうすれば……」 こうやって見ると文の寝顔も可愛いものである むしろ襲ってしまいたいくらいにだ ○○「……これしかないか」 そういって俺は口にコーヒーを含み、そのまま文に口移しした 文「むぐ……げほっげほ、に、苦い!!!!」 ○○「起きたか文、さぁ作業に戻るぞ」 文「その前に!一体何をしたんですか!?」 ○○「んなもん恥ずかしくて言えるか!」 文「ま、まさか……」 自分の姿を見てみる さっき感じた苦味はコーヒーの苦味だと思う そして彼の口元にそのコーヒーがついているのが見えた 文「あ、え、そ、その……」 ○○「ほら、座った座った」 文「あ、は、はい」 ○○「し、仕方なくやったんだからな!ファーストとかそんなの関係ないからな」 文「そ、それは私もです!は、初めては好きな人って決めてるんです!」 ○○「っ……///」 文「……///」 ○○「と、とりあえず終わらせようぜ」 文「そ、そうですね」 文「終わったーー!!」 ○○「ご苦労様」 文「とりあえず寝ましょうー!」 ○○「じゃあ布団引いてくるから待ってろよ」 ○○「なんだよ文の家、布団一組しかないじゃないか」 ○○「おーい文、布団がー」 文「zzz……」 ○○「……今度はゆっくり寝かせてやろう」 俺は文をお姫様抱っこし、布団にゆっくりと寝かせてやった その近くで文の寝顔を見ながら床に寝ることにした ○○「ん、俺は……あれ?」 文「起きましたか○○さん」 ○○「あれ……文?大会は……?」 文「ふっふっふー、大丈夫です。○○さんのおかげで締め切りには間に合いましたよー!」 ○○「そうか……俺は文の役に立てたんだな……」 文「な、何泣いてるんですか○○さん!」 ○○「いやな、昨日一日考えたんだ、俺は文のことが好きだって、だから昨日口移しが出来たんだ」 文「そ、それは……私もです!私も○○さんのことが好きです!○○さんじゃなきゃイヤでした!」 ○○「そうか……ありがとう文」 文「いえいえ、お礼を言うのはこっちのほうですよ」 ぐ~ ○○「……あははは、お腹すいたな」 文「もう夕刻ですよ、夜ご飯にしましょう!」 まぁ結局大会では優勝できなかったんだが俺は大事なものを見つけることが出来た これからはその大事なものを守って生きたいと思う ???「お……て……さ……い」 ○○「ん……」 文「起きてください!!」 ○○「はうあ!」 文「まったくもう……今日は検診の日であなたも行かなくちゃいけないんですから」 ○○「あっ、ああ、そうだったな」 文「一体どんな夢を見てたんですか?寝ながら笑ってましたよ」 ○○「ああ、初めて文のことが好きだって言った日のことだよ」 文「そうですか……あの日からだいぶ経ちましたね……」 ○○「それでも変わらない思いもあるのさ、文、好きだぞ」 文「もちろん私も好きですよ、あなた」 うpろだ1178 ─────────────────────────────────────────────────────────── 文がいささか過剰にぺたぺたしてくるので、ちょっと抗議してみた。 「いいじゃないですか。私は○○さんが好きだし、○○さんだって私のこと好きでしょう?」 あっさり返されたので、ほんとに軽い冗談で、 「『いいえ』って言ったらどうするの?」 と、言ってみた。 ……瞬間、後悔した。 思い込みかもしれないが、直感的に、地雷とはいわないまでもまずいスイッチを踏んだ気がする。 とりあえず予想される反応は、 1.泣く 2.怒る 3.何故そんなことを言ったのか問い詰められる ……複合ケースもありうるか。ひどく長く思える一瞬の沈黙の後、 「言うんですか?」 「―いや、言うわけないだろ」 「じゃ、問題ないですね」 予想に反して何事もなかった。特に変わった様子もなく、文は引き続き密着してくる。 「……言いませんよね?」 不意に囁かれる、消え入りそうな声。 「ああ、絶対、言わない」 文をそっと抱き寄せる。 「……ごめんな」 あまりくっつきすぎるのもよくないかな、とは思うのだけれど、 今はこの細い肩の震えが止まるまで、しっかりと寄り添っていようと思った。 新ろだ11 ─────────────────────────────────────────────────────────── 雨の日は憂鬱だ。朝から雨が降っていたので今日は家でじっとしていることにした。 雨脚は強く、外にいればたちまちびしょぬれになってしまうだろう。 そんないつ止むかも分からない雨を眺めていたら夜になっていた。 寝るかな、とか思ったら扉を叩く音が聞こえた。 「酷い雨でしたよ~」 全身びしょぬれのカラス、じゃなかった射命丸だった。 とりあえずそのままではあれなので玄関先にバスタオルを持って行き、水が滴り落ちない程度には拭く。 髪の毛をぬぐってあげるとなんとなくドキッとした。 「あう……すいません」 とりあえず上がるより先に風呂に入れてあげることにした。 バスタオルと男物のYシャツくらいしかないのでそれを渡して、風呂場へ行かせる。 「お風呂ご馳走様でした~」 風呂から上がった射命丸は髪の毛をバスタオルで包み、男物のYシャツからすらりと足が覗いて見え、 なんとも言えない色っぽさがあった。 湯上り美人って言うのだろうか。 ドキドキするのでそっぽを向いて寝床を貸すことにした。どのみちこの雨だし、服も乾いていない。 自分はとりあえずその辺のタオルケットをかぶってソファに寝転がろうとする。 その目の前にYシャツ、おみ足。おおう。 「だ、だめですよ、それじゃ○○さんが風邪引いちゃいます!」 そういって射命丸が促す先は、僕が彼女に貸し与えたベッドだった。 じゃあどこに君は寝るんだと訊ねたら、 「貸してくれたじゃないですか、ベッド」 とのたまう。あれですか、一緒に寝るとかそういう奴ですか。 「わ、私は別に、全然かまわないですよ……? 二人で寝たほうがあったかいですし……」 とかごにょごにょ言っていたのが可愛かった。 ただ、この雨で寒くなるのは間違いなかったので、ありがたくベッドに入らせてもらった。 「えへへ」 とかはにかむ射命丸がすぐそばにいるとか大変ですよ奥さん。ロケットがロックしちゃいますよ。 毛布をかぶって射命丸に背を向ける。わがの滾りを気づかれるわけにはいかない。 背中に暖かい感触。彼女がぴったりとくっ付いてきていた。 「背中、広いですね……」 ぽそっとそんな事をおっしゃる射命丸さん。 あれですか。もう、なんというか、あれですか。 「……女の子がこれだけやってるんですよ? ○○さん」 据え膳でしたか。それは失礼。 僕は彼女に向き直って―――― 朝起きたら雨は止んでいた。窓から朝日が差し込んでくる。雀の鳴く声が聞こえる。 「おはようございます、○○さん」 腕枕した隣の彼女に返事を返す。清清しく幸せな朝だ。 おきてからしばらく毛布の中でイチャイチャしていたが腹も減ってきたので起きて飯にしよう。 「あ、服乾かしてない……」 先にベッドを出ると後ろで彼女のそんな言葉が聞こえた。 外はすっかり晴れたけれど、彼女の服が乾くまではこの幸せを二人だけのものにしておこうと思った。 新ろだ14 ─────────────────────────────────────────────────────────── 文「最近暑いですね~」 ○○「……そうだな」 文「こうも暑いと何人か溶けちゃうんじゃないんですか~」 ○○「そう言いつつなぜ俺の布団に入ってくる?」 文「あややや、ばれてましたか。いや逆転の発想で暑いならもっと暑くすればいいじゃないと思いまして」 ○○「はぁ……先に寝るからな」 文「ありゃ、つれないですね~それなら私は自分の布団に戻りますね」 ○○「……しょうがないな。いいぞ入ってきても。でも変なことはナシな」 文「……ありがとうございます○○さん」 ○○「はぁ、これからは暑いからって布団の中に入ってくるなよ?」 文「えへへ~○○さんの布団暖かいです」 ○○「……聞いちゃいねえ……」 朝方 ○○「ふわああぁぁぁ、よく寝た……あれ?なんで隣で文が……??」 文「すーすー……」 ○○「ま、まさか超えてはいけない一線を超えてしまったとか!?」 文「う、うーん」 ○○「ま、まずいっ!この状況をどう説明すれば!?」 文「……ありゃ、起きてましたか。お早うございます○○さん」 ○○「あ、文?き、昨日、お、俺なんか変なことしなかったか!?」 文「……昨日は激しかったですねぇ」 ○○「ぐおおおおぉぉ、やっぱり超えてしまったのか!!」 文「……ぷっ、あはははははは!」 ○○「あ、文?」 文「冗談ですよ○○さん、昨日は私が○○さんの布団の中に入って寝てただけですよ。何にも変なことはなかったです」 ○○「あ、よ、良かった……」 文「私的には既成事実をつくるいいチャンスだったんですけどねぇ」 ○○「ちょ、文!?」 文「私は本気ですよ、○○さんのこと好きですし」 ○○「うっ……そういう台詞って普通男が言うもんなんじゃ」 文「なら今度は正式に私に言ってくれますか?」 ○○「……ずるくないか文」 文「ふふ、そうでもないですよ?それよりも今の状況を誰かに見られることのほうがマズイのでは……」 椛「お早うございます、文さん今日の仕事……は……?」 ○○&文「「あっ」」 椛「あ、え、えっとその……は、ははははは破廉恥ですぅ!!」 文「……行っちゃいましたね……○○さんどうしたんですか頭なんて抱えて」 ○○「また誤解の種が……」 文「あ~、とりあえず朝ごはんにしましょうか」 ○○「……そうだね」 その日、○○と文はいつ結婚するのかとか子供は何人とかの質問攻めにあったのであった うpろだ1296 ─────────────────────────────────────────────────────────── 起――ことのおこり、またはそれに付するもの。 「こんにちわ~、文文。新聞です~」 玄関先に声が響いた。朝から元気だな。いつもながら。 「はいはー、ちっとまってー」 味噌汁を作っていた僕は一旦火を止め、玄関へ向かう。いつものように。 「おはよう、射命丸。配達いつもお疲れ様だね」 僕は玄関先に来た少女に挨拶すると彼女は少しはにかんだように笑う。これもお約束。 「○○さんは数少ない購読者ですからね~」 「そんなの気にすることじゃないさ」 「気にしますよ~。読まれない新聞はただの紙くずですから」 そりゃそうだ。それにしたって 「わざわざ射命丸が直接手渡してくれるのが嬉しいな」 誰かが来ることすら珍しいからな。ここ。 じゃあ何で住んでるのかと聞かれれば、まぁ、いろいろだ。 「え、あの、その」 何か顔が赤くなったぞ。大丈夫かな。 「あ、は、配達が残っているので失礼しますッ」 ばひゅんと突風を残して飛んでいく彼女。速え速え。 「さて、味噌汁途中だったな……」 まずは朝ごはんを食べようか。文文。新聞でも読みながら。 「へー、ゆゆこさんが大食い記録に挑戦か。無駄に米蔵潰すのやめればいいのにな……」 朝ごはんを食べ終わる頃にもう一度声がした。 ――ごめんくださーい 食後の緑茶をすすりながら新聞を読んでいたけれど、今日は来客が多いな。 「はいはー、どなたさまー……って射命丸か」 玄関先にはさっきの少女、射命丸文が立っていた。さっき持っていた新聞の束がないところを見ると配達帰りのようだ。 「はい、通り道だったので寄らせていただきました」 「そかそか。お疲れ様。上がってって。お茶でも淹れるよ」 射命丸とはお茶呑み友達だ。ここに来た当時に取材を受けたり(外界人はこちらではやはり珍しいものらしい)、ここの事を色々と教えてもらったりしているうちに懇意にしてもらうようになった。 「はい、ではおじゃましま……」 きゅぅ~ かわいらしい音が鳴った。たぶん、おそらく、可能性の一つとして彼女のお腹の方向から。 「……茶より、先に飯だな」 「すいません……」 後ろを向いていたので見ていないが彼女の顔は真っ赤に違いない。ああ、僕には分かるとも。 ――風神少女食事中…… 「おいしい?」 「はい!すごくおいしいです」 用意したのは僕の朝食兼昼食(予定だった)のご飯と焼き塩鯖、菜っ葉の和え物、茄子と油揚げのお味噌汁。 うん。さようなら僕の昼食。久々に香霖堂でも行こうかなあ。 どうやら彼女、ギリギリまで記事の推敲をしていたらしく、それから印刷・配達まで自分でしているため朝ごはんどころか一昨日の夕飯から食べてなかったとか。 ……つか 「それって僕が食べさせてからまた食べてないってことじゃあ……」 「すいません……取材が忙しくて、ご飯を食べる時間が惜しくて」 そういいながら彼女は本当においしそうにご飯を食べる。見ていてこっちも幸せになってくるくらいだ。 だが、こうなるまでご飯を食べないのはやっぱりいけない。 「そうはいうけどね、記者は身体が資本なんだから、体調管理もしないとダメだよ」 「はい……」 注意したら少ししょんぼりしてしまった。まあそれだけこの仕事が楽しいんだろう。 でもほっといたら絶対倒れるなあ、そう心配した僕は、 「なんならいっそ食べにおいで。言ってくれれば用意くらいするからさ」 思い切って提案してみた。 これも初めてのことではないし、これだけおいしそうにご飯を食べてくれるならこちらも作り甲斐があるというものだ。 「!! いえいえ、そんなお手数をかけるわけにはいきませんよ! 気持ちは確かにありがたいですけれど」 ところが彼女は顔を真っ赤にしてぶんぶんと横にふっている。 「それにそれってまるでぷ、ぷ、ぷろ」 「でも、一人でご飯食べるのも寂しいからさ、一緒に食べてくれると嬉しいかなー、なんて」 正直なところ、この家を訪ねてくる人は彼女と白黒、子鬼くらいなものだろう。 こちらから出向くことはあってもあまり家に来ることはない。 そういわれると彼女は真っ赤なまま黙ってしまって、 「えぅー……ええと、じゃあ、お言葉に甘えてもいいですか?」 と上目遣いで言われた。 「当然。僕がお願いしたようなものだしね」 「ふふ、そうですね」 まぁ、二人分の食料が減るから家計にダメージが来るのは間違いないけれどね。 承――それからどした。 「こんばんわ~」 「いらっしゃい」 その夜。射命丸がやってきた。 「お仕事お疲れ様、もうご飯出来てるから」 「ありがとうございます~」 僕が夕食に誘っただけなのだけれど。 ――風神少女&青年食事中 「そういえば、夜に来るのって初めてだね」 「そうですねー」 夕食は蒲焼にした。タレをつけてじりじり焼いたから香ばしくておいしい。 彼女も喜んでくれているようで、よかった。 「射命丸って食事のときも文花帳手放さないんだね」 「ええ、ネタはいつやってくるかわかりませんからっ」 胸を張る射命丸。見上げた記者魂だ。ううむ、 個人的には少々物足りない気もするが。何がとは聞くな。 「む?なにか今へんなこと考えませんでした?」 「いやいや全く全然そんなことは。あ、そうだ、夜も遅いから、今日泊まってく?」 「なんか目がやらしーですよ……」 「いやいやいやいや」 ひかれた。そんなにいやらしい目だったかな……? 飯も食べ終わって雑談に花を咲かせていたとき、 「……○○さんって、料理上手ですよね」 不意に彼女が尋ねてきた。食卓の上には湯気の上がる湯飲みが二つ。 「ん?大したことはできないよ。紅魔館の冥土長じゃあるまいし」 なんとなしに答え、茶をすする。ああ、誰かとする食事って久しぶりだなあ。 「……あの」 見ると射命丸がうつむいている。何かごにょごにょ言っている気がするが。 「……は……ですか?」 「ん?」 聞き返すとこちらを上目遣いで見ながら 「……料理の苦手な女の子って、どう思います?」 と訊いてきた。 へぇ、彼女もそんな事を考えるんだな。新聞命で一生懸命な子だと思っていたけれど。 そこでティンときた。彼女は恋をしているんだ。 こんな子に想われる奴は相当な幸せ者だ。うん。 「料理を教えてあげたいね」 僕はそう答える。ここは一つ、彼女の事を応援してあげるとしよう。 「え?」 驚いたような顔。そんなにびっくりすることもないのにな。 「苦手なだけなら何とかなるさ。誰だって最初から得意なわけじゃない。 出来る人間は出来ない人間を助けてはじめて価値を持つんだぜ」 そういうものですかと聞かれたのでそういうものだよ、と答えた。 「じゃあ」 と、彼女は続けた。 「私に料理を教えてもらえませんか?」 「当然」 快諾。ここで助けねば友人じゃないさ。 ================================================================================ ~閑話休題 がんばれ射命丸!○○の料理は魔法だッ! ================================================================================ ――と、そんなやり取りがあって十数日。 玄関先から声がする。行ってみれば、彼女がいた。 「こんにちわ、○○さん」 「こんにちわ、射命丸」 ここのところ射命丸はほぼ毎日のように訪ねて来る。理由は簡単だ。僕が言ったことだし。 「今日は何を教えてくれますか?」 「そうだなあ、今日は美味しいチーズリゾットあたりでも。それより、宿題が先か」 あれから射命丸との関係は友人だったり、先生と生徒だったりしている。 僕は彼女に料理を教えてあげていた。 実際彼女のもの覚えはすばらしく良い。最近の文文。新聞にも料理コラムができるくらいだ。 そして教えた料理を作ってきてもらったりして宿題としてごはんにしているのさ。 安い授業料だと思わないかい? ちなみに今日はちらし寿司を作ってもらった。酢飯がうまく出来ているかが大きなポイント。 「……もぐもぐ」 「……どうでしょう、先生」 神妙な顔つきで訪ねてくる。先生って……ノリがいいなぁ、射命丸は。 しかし寿司飯も具もしっかり味がついており丁度良い塩梅だ。文句のつけようがない。 「うん、おいしいよ。僕のよりおいしいんじゃないかな」 率直な感想を述べる。きっと苦手というより新聞にばかり心血を注いでいて料理をしてこなかったんだろうなぁとも思う。 「そ、そうですか!? えへへ、ありがとうございます!」 素直に喜んで照れる射命丸が可愛くて、こっちが少しこそばゆい。 「これで今度のコラムのテーマは寿司ネタ、かな?」 ごまかす為に別の話題を振る。彼女は僕が教えた料理なんかを写真付きで解説したりレシピを載せたりしている。 ……文文。新聞は主婦の友なのか? 「そうかもしれませんね~」 こら、地の文を……あれ?いや、どっちでもいいか。喜んでくれたんだし。 「先にご飯にしようか」 正直一人で食べるのもどうかとおもう。時間も丁度いいし。 「そうですね。いただきます」 そうして、早めの夕食と相成った。 本日の夕食、ちらし寿司、冷奴、わかめとあぶらげの味噌汁、漬物数種。 にんにくスライスをオリーブオイルで炒める。 いい匂いが立ち上がるが、食後の僕らには少々きつい。 「先に作るべきだったかな? はは……」 「そ、そうですねー……」 射命丸も「正直、お腹一杯ですよ」というような微妙な苦笑いで受ける。 色づいたにんにくを取り出し、バターを溶かす。 「そういえば○○さんって向こうの世界では先生やってたんでしたっけ」 毎度の事ながら射命丸は訊ねてくる。何でもネタにしようとする記者魂は見上げたものだ。 とけきったところに玉ねぎを入れ、炒める。 「先生というか何というか、まぁ、料理教室の講師だね」 ううむ、僕のこともいいのだが、レシピは頭に入っているのだろうか。 「……なにか思い入れでも?」 「ん~、特にないかな。しいて言えば料理が好きだったから」 「料理が好き、ですか」 玉ねぎがいい色になったので米を入れる。リゾットっぽくする為にさっと水を通した程度だ。 「だってほら、食べた人が美味しそうに食べて、ご馳走様、って言ってくれたら嬉しいじゃないか」 「そうですね。私も、さっき褒められて嬉しかったです」 思い出して微笑む射命丸。つられてこちらまで嬉しくなる笑顔だ。 彼女に想われている男は本当に幸せ者だな。憎らしいくらい。 これは是非とも幸せになってもらわなければ。 僕は誰にともなく、そう誓うのだった。 「ああ、そういえばリゾットって作り置きには微妙だな」 「そうですねー」 どうしよう、これ。 転――それは、あくまできっかけ。 それは、彼女が料理コラムを載せた辺りからよくある質問だったらしい。 ――誰に料理を習ったのか? ――どこへ行けば食べられるのか? ――むしろ俺の為に毎日味噌汁を作ってくれないか? 彼女としては珍しく、僕のことについてはほとんど触れず、「ある人物」とだけ書かれていた。 自分の料理修行すらネタにするとは、さすがとしか言いようがないな。 それがこの間、白黒に飯を食わせているときにぽろっと言ってしまった辺りからばっさり広がった。 当然、人外みたいなのばかりやって来るわけだが。 ――曰く、凄腕の料理人らしい。 ――曰く、料理を教えてくれるらしい。 ――曰く、里から少し離れた森に住んでいるらしい。 そんなほんとと嘘がない交ぜになった噂を受けてか僕の家に色々な人が来るようになった。 以前から来ていた白黒、子鬼はともかく、わざわざ遠くからやって来る人もいるほどだった。 目的はやっぱり、料理。食べる為に来るものもいれば、教わる為に来るものもいる。 持ち帰る人もいる。できればすぐに食べて欲しいのだが。 紅魔館とかいうなんだかせっかくだから選んでしまいそうな館からスカウトが来たが、 手作りクッキーの袋を渡して丁重に断っておいた。あれから時々お菓子の注文が来るが。 博霊の巫女が来たときにはびびった。 どうやら彼氏に作ってあげる料理のレパートリーを増やしたいらしい。健気な事で。 そうして、最近ではお土産に持ってきていただいた食材で生活が出来るほどになっていた。 むう、料理教室で生計が立てられるかも。 しかし、生活は賑やかになったが少しさびしくもあった。 射命丸が来ないのだ。いつも来ていただけにいなくなるとどうもしっくりこない。 数日前までは当たり前だった光景がめまぐるしく変わる。その変化は喜ぶべきなのか、どうなのか。 新聞は手渡されることは無く、いつの間にかポストに入っていた。 お菓子の宿題で出しておいた、プリンは、まだ提出されない。 そして僕はこうも思った。 「射命丸は想い人への告白は出来たのかなあ……」 「どうかしました?」 「うひゃあ」 「うひゃあ、じゃなくて手が止まってますよ」 ああ、考え事をしていて手が止まっていた。 今日は山の向こうのそのまた向こう。博霊神社とはまた別の神社の巫女さんが来ていた。 「ああ、すみません、考え事をしていたもので」 射命丸が来なくなって最近は彼女が一番来ているのではないだろうか。 東風谷早苗さん。人外多きこの幻想郷の例に漏れず人間に見えるこの少女は 話によれば現人神なのだとか。奇跡を操るだとか言っている。 家族同然に神様と住んでいるだとか、ものっそいゲーマーだとか、話題は尽きない。 今日の彼女の注文は『夏バテ解消できるような料理』だった。 どうやら引っ越してきたのはいいが家族が夏バテ気味だそうで、困っているらしい。 何がいいかなあ……。 頭の中のレシピブック(人呼んで『○○ノオト』)をめくる。 「こう暑いと諏訪子様も神奈子様もバテてしまって……」 「暑いときは食欲がなくなったりしますし、汗からビタミンが逃げていきます。 体温調節に余計な体力を使いますし。ビタミン不足とスタミナアップにはビタミンやたんぱく質がある……」 そういった料理で、彼女が知らなそうな料理か……だとすると、ああ、この間貰ってきたあの食材にしよう。 「うん。ゴーヤの肉詰めなんてどうでしょう」 「はい、よくわかりませんがお願いします」 と言うわけでレシピを紙に書いていく。こうすれば帰ってから忘れても思い出せる。 書き終わったら今度は作りながら説明する。 「ゴーヤ食べたことあります?」 「あー……ないですね」 香霖さんも珍しがってたからなあ、この食材は。 てなわけで。 「まずこれがゴーヤです」 「うわぁ……」 うわ、ヒかれた。確かにいぼいぼで長いけどさ。ナニかって?ゴーヤだよ。 とりあえずそんな彼女を無視して料理の説明を始める。 「ゴーヤはニガウリとも呼ばれていてお茶にもなるんだよ」 「へえ、そうなんですか」 無駄話をしながら、ゴーヤの両端を切り落とす。 「ビタミンCも豊富だし、苦味成分は胃にいいんだよ」 中のわたをかき出す。これでよし。 「次にタネをつくります」 「ハンバーグみたいなものですか?」 「ですです。玉ねぎとかはお好みですね」 丁寧にこねていく。 「……○○さんはどうして料理をするんですか?」 彼女が訊ねてきた。前も同じような質問をされた気がするなあ。 「……誰かに喜んでもらうため、かな」 粘り気が出てきたところでやめる。 くりぬいたゴーヤの内側に小麦粉をまぶしていく。 あとはこれを詰めて輪切りにして焼くだけだ。 「僕はね、これしか出来なかったから」 「……」 「なんてね。かっこつけてみたかっただけです。後はこれを詰めて」 手際よく作業を進める。心の内を悟られないように。 「詰める際は少しぎゅうぎゅうに入れないとお肉が縮んで隙間が出来ちゃうのでここ注意ですよ」 「あ、はい」 作業再開。あと肉詰めゴーヤを輪切りにして両面こんがり焼くだけだ。 「……というわけで完成です」 「わぁ、美味しそうですね~」 「美味しいんだってば。一つどう?」 菜箸で一つをつまみ、彼女の口元へ。 「え、あのっ、え、あ、う」 真っ赤になってわたわたしている。彼女の口へ一つ、放り込んだ。 「……どう?」 「……凄いおいしいです」 笑顔になった彼女を見て、こちらも幸せな気持ちになる。 だけどやはり、隙間があるような感覚だった。 「よかった、僕なんてこれしか能が無いからさ」 「そんなことないですよ」 「いやいや、ほんとにこれも駄目だったらただの」 「そんなことないですよ!」 「っ!?」 手が止まる。自然と言葉を強くした彼女の方へ目が行く。 「え、えーと……東風谷さん?」 彼女の顔も真っ赤だった。目が、合う。 「あなたは、凄く魅力的です。私にとっては、凄く、魅力的なんです」 目が離せない。心の臓がばくばくいってるのがわかる。彼女が僕にもたれかかる。 「私は……」 顔が、近づいて……。 かたん 「「!?」」 小さな物音だが、僕らしかいないこの厨房で、その音はやけに耳に大きく響いた。 そちらに目を向ける。そこには、 「お久し――ぶりです」 烏天狗の少女が立っていた。 笑っているのかな泣いているのかわからない表情。 「あ……」 その表情に何か、言い様の無い罪悪感がこみ上げてくる。 「あの、え、えへへ、私、お邪魔……でしたね?」 静かに、無理矢理作った笑顔で一言、一言。 「しゃ、射命丸、これは」 「それじゃっ!」 外へと走って出て行く射命丸。僕も追うように外へ―― 「まってっ」 袖を、掴まれる。彼女が僕をまっすぐ見据えた。 「……離してくれないか」 「もう少し、このままで」 少し、握る手に力がこめられる。 「いや、追わなきゃ……」 「……行ってどうなるというのですか」 俯いた彼女からは表情を窺い知ることは出来ない。 「……いや、わからない」 全くだ。追う理由すらわからないのか? 否。 「……私は、あなたが……好きなのに」 声が震える。 「何で……私じゃないんですか……」 「……すまない」 友愛と、愛。一字の違いは、果てし無く大きい。 しがみ付く彼女をやんわりと離す。彼女の想いには、応えられない。 「○○さん……」 出て行こうとする僕に彼女が声をかける。 「妖怪と、人間の愛なんて、成立しないですよ」 「そんなもの本人にしかわからないさ」 「あなたはそれでも」 「ああ、わかっている」 ここでとまるわけには行かない。 僕が出て数瞬。 主のいなくなった厨房の中に、一人の泣き声だけが、響いていた。 古今、人妖の恋物語は悲劇を迎える。 例えば、月に帰ってしまったり。 例えば、正体を知って拒絶してしまったり。 例えば、羽衣を見つけてしまったり。 ――それは、戒め。 ――人と妖、その決定的な寿命の差は、たとえ相思相愛でも悲劇を生む。 ――悲劇を繰り返さぬよう、悲しい運命の恋人達を、これ以上増やさぬよう。 それでも、それでも僕は。 「射命丸ーッ! 射命丸ーッ!?」 走る。元々里から少し離れているが更に離れる方向へ。大声を上げながら、走る。 見当なんかつかなかった。もう暗い。足元だっておぼつかない森の中だ。 何度も転んだ。体中ドロだらけだ。それでも走る。 その広大な森の中から一人の少女を探す。その気持ちだけだった。 彼女があの場から逃げ出した瞬間、僕の中で何かが繋がった。 気づいた。彼女の恋を応援すると言う形で隠した自分が目を背けた気持ち。 気づけなかった。彼女が記者の仕事を減らしてまで毎日料理を習いに来た理由。 気づいてしまった。彼女が来なくなって初めて感じた寂しさ。 気づかざるを得なかった。彼女があんなに悲しそうだった理由。 「ああ、もう、僕のバカッ!」 自分に悪態をつく。気づいたときは、大抵遅い。だがまだ遅くない、そう信じたかった。 ――いた! 「射命丸ッ!」 この辺の森の中でも一番大きな木の根元。そこに彼女はいた。 少し開けたところ。月明かりが差し込んでいる。 そこに座り込んでいた彼女は僕の呼びかけにびくりと肩を震わせたが、それだけだった。 見つけたと思った瞬間、安堵とともに一気に疲れが襲ってきた。 荒れた息を整える。呼吸の音だけが聞こえ、静寂。 不意に、彼女が口を開いた。 「……どうして、来たんですか?」 その言葉は、何よりも重く、僕にのしかかってくる。 何故? 何故僕はここまで来た? そんなものは決まっている。 「それは射命丸、君のことが「嫌っ」!!」 彼女が頭を抱える。何事をも拒絶するように。 「嘘……」 「嘘じゃない」 彼女が顔を上げる。いくらかやつれた様にも見える。 「私のいない間に、東風谷さんと……」 「射命丸……あれは、違うんだ」 「いいえ、違いません。東風谷さんはあなたの事を想っていますから」 きっぱりと言う。実際にそうなのだろう。 「……それは記者としての意見か?」 「ええ、取材したのは私ですし、結局記事にはしませんでしたけど」 あくまで無表情、いや、少し笑っているかもしれない。ただ、そこには僕の知っている少女の笑顔は無かった。 「なんで、来なくなったんだ?」 「……仕事が忙しかったんですよ」 前まで仕事詰めてまで来ていたのに? 「僕は、寂しかったよ」 彼女に近づく。暗がりの中、彼女は僕をにらみ続けている。 「来ないで」 拒絶。それでも歩みは止まらない。ここで引くならここまで追いかけては来ないさ。 「来なくなってから、ずっと考えてた。今日も来ないんだな、って」 「……」 歩みはゆっくり、止まらない。 「私も、寂しかったですよ」 不意に彼女の声が震えた。 「久しぶりに会えると思って、プリンも作って……」 手提げの籐籠。それを撫でる射命丸。 「私、馬鹿みたいですね。浮かれちゃって……」 泣いているような、笑っているような、心が折れそうな顔。 「……好きだったんですよ? あなたのこと」 少しづつ近づく。そうしないと心が遠ざかってしまいそうで。 「僕だって、君のことが「じゃあ、何であの女に抱きつかれていたんですか!?」 悲鳴のような、嗚咽のような、声。 それは紛れも無い事実。射命丸が来なくなって入れ違いに彼女が来る回数は増えていた。 「所詮は人妖ということですよね」 「違う」 駄目だ。 「お似合いでしたよ? あなた達」 「違うんだ」 これ以上、言わせてはいけない。 「だからニンゲンはニンゲン同士で」 「違うッ!」 目の前にまで来ていた射命丸を抱きしめる。射命丸の肩がまたびくりと震えた。 「何するんですか、やめてくだ「嫌だ」」 彼女が暴れる。僕は抱きしめる力を強くする。 抱きしめてはじめて分かる、彼女の華奢さ。震えた身体で、震えた声で、拒絶を繰り返す。 そこにいるのは、悲しいほどにボロボロな、一人の女の子だった。 「や……」 「ちゃんと聞いてくれ、射命丸」 「……っ」 彼女は泣いていた。 「僕が好きなのは、射命丸、君なんだ」 「嘘……」 かぶりをふる射命丸。僕は続ける。 「最初は射命丸の意中の人間との恋の橋渡しをしてあげようと思って君に料理を教えた。 でも、だんだん料理を教えるうちに、君のことが好きになってしまっていた」 「嘘……」 「人がたくさん来るようになった。でも、射命丸が来なくなって寂しかった」 「嘘……」 「射命丸が逃げた瞬間、漸く自分の気持ちに気づいたんだ。馬鹿だよな、僕」 改めて射命丸の目を見る。まっすぐに、見る。 「射命丸、僕は君を、愛している」 「ウソぉ……」 「本当だ。結婚してほしいくらいだ」 「ウソだぁ……」 僕の胸に顔をうずめる。 「嘘じゃない。……どうすれば信じてくれる?」 射命丸はこちらを向く。 「っく……じゃあ」 「っと」 僕は懐からハンカチを出し、 ちーんっ 射命丸に鼻をかませる。いや、鼻水出てたからさ。 「えっぐ、すんっ……じゃあ、名前、呼んでください」 「うん、文……」 「もっと言ってください……」 「文……文……」 抱きしめる力を強くする。 「まだ……足りません」 震える声。けれどももうそこには悲しみは感じられなかった。 「ん」 「それと、キス、してください」 顔を上げ、自然と目が合う。潤んで、少し疲れたような彼女の顔。 僕は何も言わず、ゆっくりと顔を近づけていき…… ――重なった影が、一つになった。 結――めでたし、めでたし。 「じゃあ、この『シェフの気まぐれサラダ風何か』ってのをもらえるかな」 「はい~」 煮える鍋、踊るフライパン、高速回転するボウルの中身。 その横でコックコートを着た男が、出来上がった料理を盛り付けたりしている。 男は黙々と料理の皿を完成させていく。 正に料理は魔法だった。 あの後僕は料理教室兼定食屋を開くことにした。自宅を改装したので場所は変わらず。 小さいけれど経過は上々。料理教室のせいもあり、わりと盛況していた。 幻想に触れすぎたのか、身の回りの調理器具を操ることができるようになっていた。 白玉楼とかいうところからスカウトがきた気がしたけどやっぱり断った。 そのかわり@がついたフシギな感じの女性が常連になった。 その人も先ほど満足して帰られて、今店内には香霖さんと霊夢と●●と魔理沙だけ。 ●●は僕よりも後に幻想郷へやってきた男で、今は霊夢と暮らしているとか。 「いい加減、香霖さん見習って代金置いてってくれよ……」 「あら、ツケといてってお願いしたはずだけど」と、紅白の巫女。 「すまないね~」と●●。 「ああ、私もツケておいてくれ」と、白黒の魔法使い。 ぜんぜん払われる気配がないのは気のせいではないだろう。 「ところで●●よ、そういえば最近どうなんだい? こっちのほうは」 にやにやしながら拳を握り、中指と人差し指の間から親指を出してみせる。 とたんに真っ赤になる●●と霊夢。 「あ、ええ、まあ、そこそこです」 と曖昧な返事を返す●●。 「もっと詳しい話が聞いてみたいものだが」 下世話な話だが香霖さんも乗ってきた。 「まったく、もう甘いものはしばらくいいてのに」 とは白黒。てめえさっきあんみつあれだけ食っといて何言ってるんだ。 「そうかそうかはっはっは、子供の顔が早く見たごめんなさい霊夢さん勘弁してください」 真っ赤な霊夢がスペルカード片手に轟き叫びそうだったのですかさず謝る。 「そんなこといったらあなたと射命丸だってどうなのよ」 霊夢がすかさず反撃してくる。だがそれは反撃じゃないと思うぞ。 「そうかそうか、そんなに聞きたいか、僕らのラブラブっぷりごめんなさいごめんなさい」 聞いてきたのは霊夢なのに首筋に針を突きつけられた。何がしたいんだ。 「さて、そろそろお暇しようか。代金はここに置いておくから」 「あ、はい」 「あ、じゃあ私も」 「じゃ、俺も」 「私も行くぜ」 「……そのうち強制執行しに行ってやる」 呆れ交じりの悪態も彼女らには届かないだろう。もう香霖さんだけが友達だ。 三人が立ち上がる。僕は彼らを店先まで送る。 「美味しかったわ、ご馳走様」 笑顔の紅白が宙に浮く。 「今度ちゃんと払いますから、ご馳走様でした」 紅白と一緒に空を飛ぶ●●。手ぇ繋いでるよ。 「ごちそうさま、また来るぜ」 白黒はいたずらっ子のような笑顔でそういうと箒にまたがった 「ご馳走様、またこっちにも寄ってってくれ」 と、香霖さんは徒歩か。お気をつけて。 三者三様の言葉に僕は笑顔で応える。 「はい、お粗末さまでした。またお越しくださいな」 この笑顔を見るために、僕は料理を作っているんだから。 三人を見送って、一息つく。そうだ、お茶でも入れようか。 店の中へ。3人の食器を片付け、厨房へ戻る。 洗い場に食器を下げ、手を洗い、ケトルを火に掛ける。 「○○さん、ただいま戻りました~」 勝手口から声がした。 扉から顔をのぞかせたのはかわいらしい天狗の少女。 「お帰り、文。ちょうどお茶を入れようと思っていたんだよ」 「わぁ、それはナイスタイミングですね」 とととと、と笑顔で走り寄ってくる彼女を抱きとめる。 「ぎゅー、えへへ」 幸せそうに胸に頭をうずめる。その頭を優しく撫でる。さらさらの髪が気持ちよかった。 「あ」 「ん? どうした?」 「お帰りなさいのちゅー」 「それはねえよ」 言いながら頤を上向かせる。すぐそこに、愛しい人の顔。 「『お帰りなさい』じゃなくて『大好きだよ』のキスならあるけどね」 口づける。それはどんな料理よりも美味だった。 ピィィィィー!! 「うわぅ」 「きゃっ」 驚いて離れる。音の主は真っ赤なケトルだった。 忘れてた。沸かしっぱなしだったか。 「……お茶にしようか」 「……はい」 気恥ずかしさを隠す為に手早く紅茶を淹れる準備をする。 二人とも真っ赤っ赤。でも幸せで胸は一杯だ。 「今朝良い紅茶が入ったんだよ」 では、最愛の人の笑顔のために最高の一杯を淹れてあげよう。 了 うpろだ1396 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「あれ、○○さん何読んでるんですか?」 壁によりかかって本を読んでいた俺に、文が尋ねてくる。 「ん?いや、暇つぶしにと思って紅魔館から借りてきたんだけど」 タイトルは『あなたの猫度チェック!』。 なんとなく目についたので手に取ったが、こうして読んでいると、女の子が数人で集まって読む本のような気がする。 俺が読むと、似合わないこと甚だしいと思うのは、被害妄想だろうか。 「どれどれ……なるほど、当てはまる項目が多いほど猫っぽいということになるわけですね。あれ、96点満点?」 「うん、なんか100点満点じゃないらしい。理由を訊いたら何だか色々話してたけど」 パチュリーさんの説明は、丁寧と言えば丁寧だが複雑で分かりにくいことが多い。 「まあ、猫っぽいかどうかはともかくとして」 「え、なんですか○○さん、私をじっと見たりして」 訝しげな様子を見せながらも、何だか嬉しそうな文。 ちょっとかわいい。 「文ってさ、鴉天狗なんだよな?天狗はわかるけど、鴉っぽいところ、あんまりないよな」 一瞬面食らったような顔をしていた文は、複雑な表情になった。 あれ、何か悪いこと言ったかな? 「えーと、○○さん?まずですね、その、『天狗はわかる』というのはあれですか、強きにへつらい弱きに強気、という……」 「いや、別にそんなんじゃないよ。帽子とか団扇とか下駄とか、小さい頃に本で見たのと一緒だなと思ったからさ」 慌てて否定する。場面や相手に応じて口調を切り替えるのは知ってるが、そんな印象は持っていない。 しかし、幻想郷の一般的な天狗のイメージってそんななのか。 「……そうですか。ちょっと安心しました」 文はほっとしたような顔で微笑んだ。 「まあ、天狗の文化というか種族ぐるみの習性というか、あながち間違いではないんですけどね」 「そうなのか?」 外の世界で言うところの『NOと言えない日本人』みたいなものか。 「とはいえ流石に、恋人に面と向かって言われるのはあまり嬉しくないですから……さて」 そこまで言うと、不自然なまでの笑顔が浮かぶ。あれは……ちょっと怒っているな。 やっぱり何か悪いこと言ったんだろうか。 「『鴉っぽくない』とはどういうことですか?」 ああ、怒ってる。いつのまにか広がっていた羽がばさばさと揺れている。 「この黒髪とか、黒い羽とか、結構誇らしかったりするんですよ?」 「いや、うん、特に深い考えがあったわけじゃないんだけど、何となく俺の中にある鴉のイメージと文が重ならなくて」 「そもそも、○○さんの鴉のイメージってどんななんですか?」 「えーと」 俺が悩んでいる間に文は少し落ち着いたらしく、ため息をつきながら俺の横に並んで座った。 「じゃあ、○○さんの持ってる鴉のイメージを挙げていって、私に当てはまるかどうかやってみましょう。 鴉天狗の本領を見せてあげますよ」 「鴉度チェックってわけか。よし、まずは―」 1.ごみ捨て場を荒らす 「いきなりなんですかそれは!」 「外の世界だとそうなんだって!」 よく考えたら、外にいた頃鴉を見たのって、だいたいごみ捨て場とかなんだよな。 「ネタを漁ることはあってもごみを漁ったりはしません。はい、次!」 2.光り物が好き 「これは?」 「光り物、ですか。うーん」 ガラスや金属片などを巣に集めたりする、というのは聞いたことがあった。 それはないとしても、アクセサリーなどを指して光り物と呼ぶことがある。 文がそういったものを付けているところは見たことがないけれど、やっぱり好きなんだろうか。 「これもないですねえ。特に集めたり、身に付けたりするのが好きなわけではありませんし」 「じゃあ次いこうか」 3.においが強い 「ちゃんといつも清潔にしてます!」 「いや、文がそうだって言うんじゃなくて、鴉はそういうものだってどこかで」 まあ、これはないな。 …………でも一応。 「ひゃっ!?」 文をぎゅっと抱き寄せて、大きく息を吸い込む。 密着した文の髪や身体からは、良い匂いがした。嗅ぎなれた、でも飽きることのない、どことなく幸せな気持ちになれる匂い。 「もう、今更確認することでもないじゃないですか」 「うん、でもこうしてると何だか幸せで」 「……そうですね。私も、同感です」 しばらくお互いを抱きしめたまま、深呼吸した。 4.鴉の行水 清潔に、というところで思い出した。 風呂に入る時間が短いことを鴉の行水と言うけれど。 「これは当てはまるんじゃないか?」 「あー。そうかもしれません。でも適当に済ませてるわけじゃないんですよ?」」 そういえば一度長湯して、のぼせたことがあったような。 あの時は大変だったなあ。すっかり茹だって倒れた文を、一生懸命扇いだ覚えがある。 「で、○○さん、次は?」 「ごめん、もうネタがない」 何となく文と重ならなかった、というだけで、そもそも鴉についてそんなにたくさんの具体的な知識があるわけではなかった。 少ないことに加えてさほど良いイメージがなく、さらには重ねる相手が愛しい文とあっては、重ならないのも無理はない……か? 「では、私が○○さんにもう一つ、鴉について大事なことを教えましょう」 そう言った文は、いつの間にか俺の正面に回っていた。 「鴉はですね」 そのまま、にじり寄ってくる文。顔が近づく。 「ただ一羽の相手を決めたら、ずっとその相手と添い続けるんですよ」 しなだれかかってきた文の唇と、俺の唇が重なった。 うpろだ1426 ─────────────────────────────────────────────────────────── きょうは文と里の神社の祭りに行く予定だったが、ちょっと遅れてるかな? 「おまたせしましたっ」 「ぉひょっ」 いきなり後ろから声をかけられ肩を叩かれて変な声を出してしまった。 「? どうかしましたか?」 「ああ、いやなんでもない。それより、ふむ……」 声の主はやはり文だったが、その格好はいつもと全く異なっていた。 いつものミニスカ山伏スタイル(正式名称は分からないので頭の中でそう呼んでいる) ではなく、山吹色の浴衣姿に同じ柄の巾着、ヤツデの団扇。今日は頭巾はしていない。 そういえば、文花帳も持っていないぞ!? 「オフですからね。どうですか? どこか、変じゃないですか?」 「ああ、全然変じゃないぞ。凄くかわいい」 「えへへ、じゃあ行きましょっ」 照れたような笑顔を浮かべ、彼女が僕の手をとり、祭りの喧騒へ向かって歩き出す。 つられて僕も歩き出し、彼女の手をぎゅ、と握り返した。あれ? 「お、羽根は?」 「あれは消してますよ。浴衣着るとき邪魔じゃないですか」 ああ、消せるんだ。便利だな。 金魚の場合 「お、兄ちゃん金魚どうだい?」 「お、やってるんだ」 明るいの照明の中、子供達が楽しそうに泳ぎ回る金魚と格闘していた。 「男ならカワイイ彼女にいいとこ見せてやりな!」 「「ぶっ!」」 二人同時に噴出した。 「やるか」 「私もやります~」 「おお、お二人さんがんばれよッ!」 ~青年・少女魚掬中 ぼろっという感覚とともに逃げられた。椀の中には金魚が二匹。 「はい終了~」 「ぐう」 「ははは、でも若いのにうまいもんだな」 「まぁ、二匹釣れたし、あy……」 しゅばっ 椀にはこぼれんばかりの金魚盛り。 しゅばっ というか、既に二杯目も半分以上。 しゅばっ いまだ掬い紙に水滴は――ない。 「……あ、文?」 「ちょっと待っててください今良いところなので」 びっ でかい出目金が水面から跳ねるように椀の中へ。 顔面蒼白の親父さんが土下座して謝るまで3秒とかからなかった。 >露店 「……というわけで向こうではくじという奈の詐欺が横行しているわけさ」 「裏側から粗品を……子供の夢をぶち壊して……許せませんね……あ」 文が足を止める。そこは色とりどりの金属細工の露店。 「いらっしゃい」 「へぇ、アクセサリーか」 「かわいいのが色々ありますね~」 こうやってアクセサリーに目を奪われている横顔は可愛らしい年相応の女の子なんだよなぁ。 そんなことを夢想していると 「○○さんっ」 ちりん 文の声で現実に戻される。 「ん? どうしt……なるほど」 「似合ってますか?」 そこにはかわいい鈴のついた髪飾りがよく似合う女の子がいた。 「いいね、それいくら?」 いいものは高いというけれど、お祭りの露店は往々にしてボッタが多い。 それを分かってはいる。だから自分はそういうものに引っかからないとは思っていたが 「うん、値切れたからまだましだろう」 「高かったですねぇ」 まぁ、かなり吹っかけられたのだが、交渉に交渉を重ね、大体初期提示価格の4割程度で買えた。 余裕をもって持ってきておいてよかった……。 まぁ、文が喜んでいるなら、それはいいことなのだ。 >りんごあめ 「おお、りんごあめだ」 「ええ、りんごあめですね」 屋台には色鮮やかな林檎が飴でコーティングされ、きらきらと宝石のように光っている。 「おっちゃん一個~」 「あいよ」 お金を渡し、一本受け取る。甘い匂いが鼻腔をくすぐる。 「ほれ」 「あ、ありがとうございます」 文に渡す。やはり甘いものは女の子が持ってはじめて完成するな。 「美味しいですよ~」 「それは僥倖、買った甲斐があったというものさ」 りんごあめ片手にほこほこ顔の文を見ながら満足げに頷く。 「ううむ、そんなに美味いのか。もう一本買えばよかった……」 「あ、それでしたらどうぞ?」 食べかけのりんごあめを出され、一口もらう。 がりっ 飴は舐めるものじゃない。噛む物だ。 「ん。美味いな(こりこり)」 「あー!」 びっくりしたような声。凄くショックを受けたようだ。 「そんなに食べるなんて思ってなかったですよー」 「返すかい?」 ずずいっ、と顔を文に近づける。真っ赤な文の顔が近くなる。 「うぅ……仲良くぺろぺろしたかったのにぃ……」 いや、射命丸さんそれはそれで危険な感じになってますよ? とりあえずしばらく文の機嫌が治るまで四苦八苦した。 >たこやき まだ機嫌が直らないのでとりあえず何か買ってみることにする。 「おっちゃんたこ焼き~」 「おうさ」 とりあえず人気のない境内に腰掛ける。お祭りの屋台の裏ってなぜかひっそりとしているんだよなあ。 とりあえず買ってきたものを開く。大玉のたこ焼きは食べ応えがありそうだ。 「おお~大きいですね」 「うむ、食べるか」 一つ爪楊枝で持ち上げ、 「ふー……ふー……」 熱いので冷ます。とはいってもこういうのって大抵中身が熱いんだけどな。 「ほれ、あーん、てしてみ?あーん、て」 「や、その、えっと、一人で食べられますし」 「あーん、って」 「……あーん」 ぱくっ おずおずと目を閉じて口を開いた文を差し置いてなぜかたこ焼きは僕の口へ。 「……へ?」 「もむもむ、んー」 たこ焼きは程よい熱さだった。やけどの心配はなさそうだ。ということで 「何やってんっ!? ……ッ!? ~~$&%’!?!?」 頭を抑え、唐突に唇を重ねる。まさに「ズッキュゥゥ~~ン!!!」とでも効果音が鳴りそうな。 目を白黒させる文の舌を追いかけ、絡め獲り、咀嚼したたこ焼きを送り込む。 (注意:気管に入ると碌な事にならないからよい人間は真似しないように。人外なら可) 「んむ!? ん~~ッ!? …………んふ…………んぅ…………ん……」 その舌が僕を非難するように絡まってきた。しかしそれも束の間、舌は互いを求め合い、 その咥内を味わいあった。気づいたら、口の中のたこ焼きは綺麗になくなっていた。 「っはぁ」 どちらからともなく離れる。銀の橋が一瞬架かってすぐ切れた。 あ、やっぱり文怒ってる。ジト目で真っ赤になって無言の非難を送ってきてる。 後悔も反省もしていないけれど。 「美味しかった?」 「ッ!! わ、わかんなかったですよ! 急に、でしたし……」 と、怒ったような、困ったような、笑っているような、微妙な表情を浮かべる文。 「そか。じゃあ、もう一個食うか?」 「……今度はちゃんと、食べさせてくださいね?」 潤んだ目でそんな事いわないでください。 そして僕はたこ焼きをもう一度口に含み―― ちりん 再度、髪飾りが涼しげな音を響かせた。 (省略されました。続きを読むにはスキマ妖怪にでもお願いしてください) うpろだ1433 ─────────────────────────────────────────────────────────── / とある人里の、とある平凡な縁側にて。 / 「……名前で呼んで欲しい、って?」 「そ、そういうわけじゃないですけど……ちょっと気になって」 「名前で呼んで欲しいのか?」 「あ、あのですね? す、好きな人には名前で呼んで欲しい――あうぅ」 「名前か。名前。うーん、なんか照れくさいんだよなぁ」 「む、無理しなくても、いいんですよ?」 「射命丸…………文、だよな」 「ありきたりですよね」 「可愛い名前じゃないか」 「え?」 「あやや」 「……それでも良いですけど、やっぱりちゃんと呼んで欲しいです」 「我がままだなぁ」 「あなたにだけは、我がままになりたいな……」 「うぐぅ。とんでもなく嬉しいことを」 「ご、ごめんなさい」 「じゃあ……文」 「……」 「だ、ダメか?」 「いいえ、すごく良かったです。えへへ」 「でもなぁ、なんか慣れないんだよな。半端なく照れるしさ」 「無理しなくてもいい、と言いましたよ?」 「そうだったな」 「ねぇ……○○さん」 「ん? なんだ、改まって?」 「我がままついでに、もうひとつ我がままを言います」 「ふむ?」 「えーっと、その……き、き……」 「木?」 「……キス……しましょう……」 「――なっ!?」 「そ、その、ヘンな意味じゃなくて!」 「いやいやいや、驚いたぞ」 「わわっ私たち、恋人同士なんですよね!?」 「もちろん、そうだけど……そういえば、二人きりでデートとか、したことないな。すまん」 「それは、お互い忙しいですから、仕方ないですよ」 「それで?」 「恋人なんですから、その……キス、するものなんですよね?」 「いや、その、別にするってもんでも」 「どんなものなのか……してみたい、かな」 「うん? もしかして……」 「言われる前に白状しちゃいます。ええ、経験ないです」 「まいったな。おれだって経験豊富なわけじゃないぞ。でも、どうして突然しようって思ったんだ?」 「呼んでくれたから、名前で。あなたに『文』って呼ばれたとき、毛布に包まれているような、すごく温かい気持ちになったんです。そうしたら、ああ、キスしたいなって、ふと思ったんです」 「そっか、光栄だな」 「どうして」 「おれを近づけても良い、おれに触れさせても良いって、そう思ってくれてるってことだから」 「お互いさまなんじゃないですか?」 「かもな――さて、するか」 「うううぅ、改めて向き直られると、やっぱり怖いかも」 「大丈夫だって、ビリっときたりしないから……多分」 「ほんとうに?」 「か、軽く、触れるだけだからな。いきなり思いっきりはしないぞ!?」 「そんな加減もあるんですか?」 「ある……らしいぞ。おれだってそこまでは経験ないしな。未知の領域だ」 「あやややや、やっぱり初めては普通で良いです」 「だよなぁ。じゃ、いくぞ」 「ええ……怖いですけど……優しく、ね?」 「あのな、えっちするわけじゃないんだから」 「○○さんのばかっ」 「すまんすまん、ほら」 文の頬に、かるく手を添える。 「ん、○○さんの手、暖かいですね」 「ちょっとは力みが取れたか?」 「だいじょうぶ……ですよ」 優しく、唇が触れる。 それだけのキス。 「……終わったぞ」 「い、今ので終わりですか?」 「物足りなかった?」 「なんか、不思議ですね。ふわってして、柔らかくて、力が抜けちゃいそう」 「そ、そんなもんだよ」 「……ふふふ……」 「なーに笑ってるんだよ」 「あなたも、かなりにやけてますよ」 「やっぱ、そうか?」 「……はじめて、だったんですよ?」 「あぁ……貰っちまったな?」 「ふぁーすときす、です。……えへへ」 「もう一回、やってみるか」 「……こ、今度は私から」 「わかったって」 二度目のキスは、さっきよりも少しだけ積極的に。 「……んぅ……ふあぁ。なんでしょうね、やっぱり不思議な感じ」 「おれはものっそい照れくさいぞ」 「わ、私も恥ずかしくって、嬉しくて、胸の奥が暖かくなって、そして気持ち良いです」 「いつでも、していいんだぞ、文」 「あやや……でも、遠慮しておきます」 「えー」 「それは、ふたりだけのときに」 ちろっと舌を出して、ウインクしてみせた文は、とびっきり可愛くて。 おれはもう一度、この娘の唇を奪ってしまうのだった。 うpろだ1443 ─────────────────────────────────────────────────────────── / 取り留めのない会話が、ふとしたはずみで途切れることがある。 熱が下がらずにまだ赤い顔をした彼は、頭の後ろで腕を組み、なにごとか考え始めてしまったようだ。 つかのまの沈黙が訪れる。 それは他愛ないお喋りのなかに、ぽっかりと口を開けている静けさ。 心の内側を省みることができるひととき。 そんな時間がわたしは好きだった。 手を伸ばせば触れることのできる距離。 言葉を用いなくとも、お互いの存在を感じあっている。 同じ場所、同じ時間を共有できるいまが、素直に嬉しいと思う。 彼にかるく抱きしめられたときのような、こそばゆくも心地よい感覚が、わたしの心のいちばん奥を満たしていくのだ。 ぽかぽか陽気は、いつまでも続きそうだった。 雲ひとつない青空が広がっている。 でも、空の青は冬の澄みわたる色とは違っていて、薄絹で覆ったかのような白にぼやけていた。 空だけではない。 ここから見える風景はぜんぶ同じ。 人間の里も、魔法の森も、すこし遠くに見える妖怪の山も。 目を閉じると、天日干ししたあとの毛布みたいな微風が頬をくすぐっていく。 開け放った障子から入り込んで来たのだろう。 風邪っぴきがいる我が家だが、風邪を引いた本人が外の空気を吸いたいと言っていたのだ。 気にすることはない。 わたしたちのいる居間を通り過ぎた旅人は、庭を抜けて、未だ蕾のままの梢を微かに揺らす。 旅の行き先は誰にもわからない。 人間のように大地に縛りつけられることなく、遥か遠くまで往けるのだ。 もしかすると、幻想郷の結界にすら、彼らを留めることはできないのかもしれない。 ゆっくりと降りてくる陽光は、大気を通り過ぎるときに遠慮でもしたのか、すこし霞んでいるようにも見えた。 季節は、確実に、一歩一歩まちがいなく進んでいるんだな。 きのう眺めた風景と、きょう眺めている風景とでは、まったく異なっているように感じる。 あしたもあさっても、きっと、ずっと、変化し続けていくのだろう。 「文」 とつぜん呼ばれて驚く。 深く沈んでいた意識を引っ張り出すには、すこし時間がかかるから。 「文――」 「どうしました?」 「いや、しばらく黙ってるから、寝てるのかと思って」 「寝てませんよ……すこし考え事をしていただけです」 「そうか」 と、そこで彼は咳き込んだ。 あまり外気に晒されているのも、病床には良くないだろう。 「障子はそろそろ閉めちゃいますね」 「ああ、頼むよ」 「それじゃあ、ついでに昼餉もいただきましょう。食欲はありますか?」 「大丈夫、これでもおれは病気のときも良く食べるって言われてたんだ」 「……似たようなこと言って、思いっきり風邪引いたのは、どこの誰でしたっけ?」 「げほげほ」 「わざとらしい咳で誤魔化さないこと」 / 竈に火を熾しながら、何をつくろうかと思案する。 やはり胃に優しいものが良いでしょうか。 ごそごそ、と、貯蔵庫のなかから目ぼしいものを漁る。 鶏の卵がどこかにあったはず。栄養をつけるのには、それが一番かな。 そこ、同族食うなとか言わない。鶏は敵です。 「お粥でもいいですか?」 布団に入ったまま、昔に刊行した『文々。新聞』を読んでいる彼に声を掛ける。 ちら、とこちらを見た彼は、「ああ、いいよ」と言った後、言葉を接いで、 「まあ、文が作ってくれるなら、何だって構わないけどね」 だそうだ。 確かに、好き嫌いがあまりないのか、何でも美味しそうに食べてくれますけど。 たまには我が侭言って欲しい、と思うこともあります。 普段のわたしが、我が侭いっぱい言っているんですから、こういうときくらい、ね。 そんなことを彼に伝えてみる。 「わかった。それじゃあ頼みたいことがある」 「なんですか?」 「アレだ、こういうときの定番だろ。お粥を『あーん』してもらうのって」 「え……えー!?」 「えーって何だよ。嫌そうだし、ならいいよ」 「い、いえ、ちょっとびっくりしただけです。拗ねないで下さい!」 わたしが焦って言葉を返すと、彼は待ってましたとばかりにニヤリと笑む。 むぅ、謀られた。 「ふっふっふ。そーかそーか、楽しみにして待ってるよ」 「うわ、何その、すっごい嬉しそうな顔は」 「いいじゃないか、漢の夢なんだから『あーん』ってのは」 「その思想、良くわかりません。これは要取材ですかね」 「博麗さんとこの彼とか、稗田家の居候さんとか、紅魔館の従者さんとか、ああ最近だと、霧雨さんちのツンデレ君とか……いまなら取材対象はいっぱいいるしな」 「そうですね。幻想郷も春爛漫と言ったところでしょうか」 のんびりと会話しながらも、料理――という割には質素だが――を作る手は止めない。 兼業主婦は速度と手際が命なのだ。 余っていた大根の葉っぱから味噌汁を、取ったばかりの明日葉でお浸しを。 ん、味噌汁の味良し。明日葉の湯で加減良し。 あとは卵をお粥のなかに溶かし込んで、と……よーし、完成完成。 / 万年床から起きだそうとした彼を押しとどめ、布団を被ったままでいてもらう。 身体を起こしただけでふらふらしているのだから、まだ調子は悪そうだ。 顔もまだ火照っている。 おでこ同士で熱を確かめようとすると、「恥ずかしいから」って逃げられた。 どうしてくれようか。 彼の背を支えるようにして、隣にちょこんと座る。 こうやって並ぶと、身長の差がはっきりわかってしまうな。 文の頭は撫でるのに丁度良い位置にある――と、何度言われたことか。 嫌いじゃないですけどね。 ちいさなちゃぶ台を引っ張り出してきたので、そこにお粥の土鍋なんかを置いておく。 鍋の蓋を開けると、あたたかな湯気とともに、ふわりと焚けた米の匂いが漂う。 「ん――すごく美味しそう」 「そうですか、それは良かった」 「それじゃあ早速、あーんしてくれ」 「ふふふ、く・ち・う・つ・し、でもいいんですよ」 「ちょっ、そりゃ嬉しいけど、駄目」 「どうしてですか」 「風邪。うつっちゃうだろ」 「そう、思います?」 このときのわたしの目は、シャッターチャンスを見逃さない新聞記者の目だった、って後日談で言われました。 狙っていたというか、いざというときのために蓄えていた知識というか、なんですけどね。 「永琳さんから聞きました。天狗の引く風邪と人間の引く風邪とは、別の種類のものなんだそうですよ」 「ほ、ホントかよ、それ」 「嘘だと思うのなら、実際にやって試してみればいいじゃないですか」 「……今日は妙に積極的だな、文」 「こんなときくらい、好きな人に尽くしてもいいでしょう。変……かな?」 「いや、まさか。可愛いよ」 目を細めてこちらを覗き込む彼に、わたしも微笑みかける。 木の匙に掬ったお粥を、ゆっくりとした動作で口に含む。 冷まし方が足らなかったのか、まだすこし熱い。 だけど、いまはそんなこと気にならない。 彼の胸のあたりに手を掛けた。 身長差があるから、服を掴んで背伸びしないと届かないのだ。 彼の顔が間近にある。 さすがに照れたような表情をしていた。 わたしもきっと真っ赤だし、間抜けな顔になってるだろう。 潤んだ目をこれ以上見せたくなかったから、わたしは目を閉じた。 うpろだ1444 ───────────────────────────────────────────────────────────
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FFO Replay Version 2.1 紅雲//目覚めろ、その魂//霊烏路 空-霧雨 魔理沙-古明地 さとり-聖 白蓮- クラスト//欣符「紫電無閃」//射命丸 文-射命丸 文-射命丸 文-永江 衣玖- 賽が投げられて、クラストの先攻になりました。 クラストの呪力は今1 (+1)です。 #配置:《旋風「鳥居つむじ風」》 Turn 2 - 紅雲//体力21( 17) 呪力1( 1) 手札7( 5) 山33( 34) スペル0( 1) タイマー00 01(00 09) シーン なし 手札:プチフレア//想起「テリブルスーヴニール」//魔符「スターダストレヴァリエ」//魔符「スターダストレヴァリエ」//核熱「ニュークリアフュージョン」//パワーアップ//光符「アースライトレイ」// #配置:《想起「テリブルスーヴニール」》 Turn 3 - クラスト//体力17( 21) 呪力3( 1) 手札6( 6) 山33( 33) スペル1( 1) タイマー00 12(00 01) シーン なし #配置:《塞符「山神渡御」》 Turn 4 - 紅雲//体力21( 17) 呪力3( 3) 手札7( 5) 山32( 33) スペル1( 2) タイマー00 02(00 16) シーン なし 手札:プチフレア//魔符「スターダストレヴァリエ」//魔符「スターダストレヴァリエ」//核熱「ニュークリアフュージョン」//パワーアップ//光符「アースライトレイ」//萃集// #配置:《魔符「スターダストレヴァリエ」》 Turn 5 - クラスト//体力17( 21) 呪力6( 3) 手札6( 6) 山32( 32) スペル2( 2) タイマー00 17(00 06) シーン なし #配置:《岐符「サルタクロス」》 ↑起動:《塞符「山神渡御」》 Turn 6 - 紅雲//体力21( 17) 呪力6( 2) 手札7( 5) 山31( 32) スペル2( 3) タイマー00 06(00 23) シーン なし 手札:プチフレア//魔符「スターダストレヴァリエ」//核熱「ニュークリアフュージョン」//パワーアップ//光符「アースライトレイ」//萃集//少女覚醒// 紅雲は《少女覚醒》を手札から紅雲のリーダーに配置しました。 #配置:《光符「アースライトレイ」》 ↑起動:《想起「テリブルスーヴニール」》 Turn 7 - クラスト//体力17( 21) 呪力5( 0) 手札6( 5) 山31( 31) スペル3( 3) タイマー00 25(00 15) シーン なし ☆戦闘:クラスト - 《塞符「山神渡御」》 vs 《想起「テリブルスーヴニール」》 - 紅雲 クラストは《射命丸 文》の1番目の特殊能力を使いました。 【《少女覚醒》の効果によりダメージが 1 点軽減】 ★戦闘結果:クラスト - 【回避】 3 dmg - 紅雲 #配置:《「幻想風靡」》 Turn 8 - 紅雲//体力18( 17) 呪力4( 3) 手札6( 5) 山30( 31) スペル3( 4) タイマー00 20(00 32) シーン なし 手札:プチフレア//魔符「スターダストレヴァリエ」//核熱「ニュークリアフュージョン」//パワーアップ//萃集//パワーアップ// #配置:《核熱「ニュークリアフュージョン」》 ↑起動:《想起「テリブルスーヴニール」》 ↑起動:《光符「アースライトレイ」》 Turn 9 - クラスト//体力17( 18) 呪力7( 1) 手札6( 5) 山30( 30) スペル4( 4) タイマー00 33(00 28) シーン なし ☆戦闘:クラスト - 《塞符「山神渡御」》 vs 《想起「テリブルスーヴニール」》 - 紅雲 クラストは《射命丸 文》の1番目の特殊能力を使いました。 イベント(紅雲):《パワーアップ》 イベント(クラスト):《天狗団扇》 【《少女覚醒》の効果によりダメージが 1 点軽減】 ★戦闘結果:クラスト - 【回避】 3 dmg - 紅雲 #配置:《旋風「鳥居つむじ風」》 ↑起動:《岐符「サルタクロス」》 Turn 10 - 紅雲//体力15( 17) 呪力4( 0) 手札5( 4) 山29( 30) スペル4( 5) タイマー00 35(01 04) シーン なし 手札:プチフレア//魔符「スターダストレヴァリエ」//パワーアップ//萃集//黒い春告精// ☆戦闘:紅雲 - 《光符「アースライトレイ」》 vs 《岐符「サルタクロス」》 - クラスト 【《少女覚醒》の効果によりダメージが 1 点軽減】 【《少女覚醒》の効果によりダメージが 1 点増加】 ★戦闘結果:紅雲 - dmg 1 4 dmg - クラスト #配置:《魔符「スターダストレヴァリエ」》 ↑起動:《光符「アースライトレイ」》 ↑起動:《想起「テリブルスーヴニール」》 Turn 11 - クラスト//体力13( 14) 呪力5( 1) 手札5( 4) 山29( 29) スペル5( 5) タイマー01 05(00 47) シーン なし ☆戦闘:クラスト - 《塞符「山神渡御」》 vs 《想起「テリブルスーヴニール」》 - 紅雲 クラストは《射命丸 文》の1番目の特殊能力を使いました。 イベント(紅雲):《パワーアップ》 【《少女覚醒》の効果によりダメージが 1 点軽減】 ★戦闘結果:クラスト - dmg 0 3 dmg - 紅雲 【《少女覚醒》の効果によりダメージが 1 点増加】 クラストの体力が-2 (11) - 想起「テリブルスーヴニール」 #配置:《岐符「サルタクロス」》 Turn 12 - 紅雲//体力11( 11) 呪力5( 3) 手札4( 4) 山28( 29) スペル5( 6) タイマー00 49(01 25) シーン なし 手札:プチフレア//萃集//黒い春告精//「遊行聖」// ☆戦闘:紅雲 - 《光符「アースライトレイ」》(相手スルー) 【《少女覚醒》の効果によりダメージが 1 点増加】 ★戦闘結果:紅雲 - === 4 dmg - クラスト #配置:《「遊行聖」》 Turn 13 - クラスト//体力7( 11) 呪力10( 5) 手札5( 3) 山28( 28) スペル6( 6) タイマー01 24(01 00) シーン なし #配置:《竜巻「天孫降臨の道しるべ」》 ↑起動:《岐符「サルタクロス」》 クラストは《岐符「サルタクロス」》を準備状態にしました。 クラストの呪力が+1 (8) クラストの呪力が+1 (9) クラストの呪力が+1 (10) ↑起動:《塞符「山神渡御」》 シーン(クラスト):《風神少女》 Turn 14 - 紅雲//体力11( 7) 呪力11( 3) 手札4( 3) 山27( 28) スペル6( 7) タイマー00 57(01 42) シーン 風神少女 手札:プチフレア//萃集//黒い春告精//光符「アースライトレイ」// シーン(紅雲):《萃集》 #配置:《黒い春告精》 ↑起動:《黒い春告精》 Turn 15 - クラスト//体力7( 11) 呪力10( 2) 手札4( 2) 山27( 27) スペル7( 7) タイマー01 40(01 12) シーン 萃集 クラスト 投了 紅雲 otu クラスト 乙 紅雲 乙 切断されました。 === 試合時間 03 29" (2011/09/24 09 21 16 終了) ===
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タグ一覧 魔理沙 インタビューシリーズ あら、またお見えになられたのですね。本当に飽きもしないことですね。うちの家にはそれ程までに大したものはありませんよ…。 へえ…一日密着取材ですか…。それはそれは…色々と射命丸さんもなさっているのですね。天狗の方も色々と大変ですね。 まあそれでは、折角いらっしゃったのですから、少しだけ見ていかれますか?他のお家とは大して違いも無いかとは思いますが…。 ---------------------------------------- 今は朝食の時間です。村の人や店の者は既に食べてしまっているんですけれども、うちの主人は寝坊ですから。まあ他の店では考えられない でしょうが、うちは特別ですからね。主人が「ぱそこん」というのですかね、河童の機械を少々叩くだけで、店の帳簿から請求書から何から何まで、 勝手に機械が計算してくれるそうじゃないですか。こっちなら店に十年勤めている手代が一晩中掛かって作ったものよりも、正確ですからね。 おまけにデータを機械にいれてしまえば、売上げの予測すらできるそうじゃありませんか。この前の年なんかは、麦の出来が少々悪いのを見越して 先に動いて下さっていたので、お陰様でそれ程痛手ではありませんでしたのよ。余所様は身代を切り崩して大分苦労されていらっしゃった そうですから、主人に感謝しないといけませんね。 ---------------------------------------- ああ、今から主人と一緒に出かけるんですよ。人里でしたら歩いていけばいいのですが、妖怪の山に行くにはちょっと遠すぎますからね。 私が箒で少し飛べば、主人も助かると言って下さいますので。随分と物珍しそうですね…、そんなに私が箒で飛ぶのがおかしいですか? 「それはおかしいんじゃ」とは…はて、一体どういうことでしょうか?主人は只の人間ですから、空から落ちたらひとたまりもありませんよ。 落ちないようにしっかりと腰紐を付けておくのは当然じゃありませんか。一重では万が一ということもありますからね、 こうやって何重にも結んでおけば、余計な不安をしなくても済むという寸法ですよ。こうやって…はい、これで大丈夫ですね、あなた。 ちょっと動きづらいのは仕方ありませんよね。嫌ですわ…他の女性がいらっしゃるから、主人が恥ずかしがっていますわ。ほら、あなた、 今から空を飛ぶのですから、シャキッとして下さいまし。何も他の女性を抱いているのではありませんよ。あなたの妻を抱いているだけですから、 恥ずかしがらなくても結構ですのよ。 ---------------------------------------- いやはや、本当に夕方まで付いてこられるとは思いませんでした。敏腕記者の射命丸さんも、よっぽどお暇ですのね…。ええ、なにせ主人が あなたを横目で見たのが数十回、顔が二十一、胸は三十五、腰に至っては二十九…まあまあ何とも、嫌らしいことでしょうね…。おまけに 射命丸さんが空中をはしたない格好で飛ばれるものですから、主人が三度も赤面しておりましたよ。どうして、ですって?妻が主人の手綱を、 しっかりと握っておくのは当然のことでしょう?全く…主人が劣情を催しそうに成る度に、私も母の能力を借りて分からないように、 主人の眼を塞いでいたのですからね…。あれほど迄に苦労するのは久々でしたよ。ええ、これですよ。この黒い隙間を丁度、黒目に当てるのは 中々大変なのですからね…。まあ、主人をいつも見ているのは妻の勤めですし、…それに主人の視界を私の眼に映すのは、主人の見ている世界を 見れるようで、密かに愉悦に浸れるものですし…。ふふふ…今も右目の視界の一部には主人が映っていますのよ。どうしてって、そりゃあ世の中には 色々と厄介な者はいますからね。人の家庭を壊すことが生き甲斐の泥棒猫、なんてものに引っかかれたら災難じゃありませんか。そうならないように、 しっかりと家庭を守ることが良き妻と母も言いますからね…。 ああ、そうです、折角ですから母に会っていきますか。ええ、遠慮は要りませんよ。母も会いたいと仰っていましたし。ほら、あなたの後ろに… 驚きましたか…ええ、実は母は幻想郷の外から来た外来人でしたので、病弱ということにして人前には余り出ないようにしていましたの。私の金髪は母譲りという訳ですね。 外の世界ではマエリベリー=ハーンという名前でしたが、今では……。射命丸さんならよくご存じでしょう…? 感想 名前 コメント
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各ポケモンのページに通常色と色違いの画像を順次掲載しております。 色違いのポケモンについては管理者が所持していないものも多いため、画像提供いただけると大変助かります。 撮影例 どの画像が欲しいの? 提供の方法は? 撮影例 スクリーンショット撮影の際は、ポケモン図鑑から「詳細」を押した画面、拡張子はjpgで統一したいと思います。 switchのスクリーンショット機能を使用して撮影した画像をそのまま使っています。 ご協力よろしくお願いします。 どの画像が欲しいの? 例えば、フカマル系統のページは、現在このようなものになっています。 これは管理者が色フカマルの画像を用意できていない状態であることを示しています。 このような状態のページをなくすことが当面の目標になりますので、このような状態の全てのポケモンの画像を募集中です。 提供の方法は? A.このページに直接アップロードする。 ①「ココ」をクリックしてアップロード画面へ飛ぶ。 ②赤枠部分をクリックまたは赤枠部分に画像をドラッグ ドロップで画像をアップロードして完了です。 画像が1MB以上の場合はアップロードが失敗しますのでご注意ください。 switchのスクリーンショット機能で撮影すればそのままアップロードできるはずです。 あとは管理者が隙を見て提供いただいた画像を拾って整備します。 B.ツイッターアカウントへ送る @pokemonsvshinyにリプライもしくはDMで送っていただいて完了です。 あとは管理者が隙を見て提供いただいた画像を拾って整備します。 皆様のご協力をお待ちしております。